行政書士試験の記述式は、受験生にとって一番“感情を削られる”パートかもしれません。
- 択一はそこそこ取れているのに、記述が書けない
- 条文も過去問もやっているはずなのに、40字になると手が止まる
- 気づけば直前期で、結局後回しになっている
こうした悩みは、決して珍しくありません。
実際、行政書士試験では択一で高得点を取っていても、記述式が原因で不合格になる人が多いのが現実です。
記述式は20点×3問=60点。
配点は大きいのに、「どう対策すれば点になるのか」が見えにくい。
この記事では、40代・法律初学者だった私自身が、
記述式を“怖い問題”から“取りに行ける問題”に変えられた理由を、できるだけ整理してお伝えします。
記述式が伸びにくい本当の理由
記述が書けない理由は、知識不足とは限りません。
多くの場合、原因はもっとシンプルで、
「どこに力をかければいいのかが見えない」
ことにあります。
毎年、記述式はまったく新しい問題が出ているように見えますが、
過去問を年度横断で見ていくと、
- 使われる条文
- 問われ方のパターン
には、はっきりとした偏りがあります。
つまり、
むやみに広くやるよりも「出やすい場所」を押さえた方が圧倒的に効率がいい。
この視点を持てるかどうかで、記述対策の難易度は大きく変わります。
記述式で本当に大事だったのは「文章力」ではなかった
私が試行錯誤の末にたどり着いた結論は、とてもシンプルです。
記述式は、センスや文章力の問題ではありません。
鍵になるのは、
「考える順番(型)」を知っているかどうか
でした。
具体的には、
- 何を聞かれているのかを整理する
- 思い出すべき条文を決める
- 点になりやすい言葉に置き換える
この流れを、毎回同じように再現できるかどうか。
この「型」が見えるようになってから、
記述に対する苦手意識は一気に小さくなりました。
過去問をどう見ればいいのか(具体例)
ここでは、実際の本試験問題を使って、
「どういう視点で見ればいいのか」を簡単に紹介します。
行政法(令和元年)
行政が本来すべき処分をしていない、いわゆる“行政が動かない”ケース。
この問題で重要なのは、
- 誰が申し出できるのか
- 行政は何をしなければならないのか
を条文ベースでセットで書けるかという点です。
ポイントは、
- 主語は「何人も」
- 行政側は「調査 → 必要なら処分」
という型を崩さないこと。
ここが見えていれば、40字は意外と組み立てられます。
行政法(令和2年)
取消訴訟の出訴期間が経過している、という事実が書かれていた場合、
それ自体が強いヒントになります。
このときに選ぶべきは、
- 無効等確認の訴え
- 被告は処分を行った主体
という“定番の流れ”。
問題文の条件から、
使う訴訟類型と被告が自動的に絞られていくことを意識すると、
記述はかなり整理しやすくなります。
民法記述が難しく感じる理由
民法の記述は、行政法以上に
「事例から、どの条文を引っ張り出すか」
という判断力が問われます。
共有物の建替え・修繕、
第三者のためにする契約、
第三者詐欺、
背信的悪意者……
一つ一つは基礎的でも、
40字で書けと言われると急に難しくなる。
ここでも重要なのは、
- 行為の性質は何か
- 条文上のキーワードは何か
を型として処理できるかどうかです。
記述式は「見えるようになった人」から伸びる
私自身、令和2年の受験時は
- 行政法で被告適格を誤り
- 民法では用語の意味すら曖昧
という状態でした。
それでも最終的に立て直せたのは、
- 出題範囲を条文ベースで整理し
- 記述を同じ思考手順で処理する
という形に切り替えたからです。
note有料記事について(ここから先)
ここから先は、
- 令和元年・令和2年の記述問題を
「型」にはめて詳細に解説 - 平成21年〜令和7年までの
行政法・記述式問題で使われた条文を一覧化(PDF) - 実戦用のオリジナル記述問題(行政法5問+民法10問:PDF)
といった内容を、noteの有料パート(¥500)でまとめています。
市販教材ではあまり見かけない、
「どの条文が、どの年度で、どう使われてきたか」
を“地図”として整理した資料です。
記述が白紙になりがちな方、
40字に毎回悩まされている方にとっては、
勉強の方向性を定める助けになると思います。
▶︎ note有料記事はこちら
記述式は、才能ではありません。
「考え方が見えているかどうか」だけです。
この記事が、その整理のきっかけになれば嬉しいです。